日本遺産フェスティバルin倉敷 — 全国104の日本遺産ストーリーが倉敷に集結【sponsored】

2025年10月25日(土)・26日(日)、歴史と文化が息づく岡山県倉敷市で、全国104の日本遺産ストーリーが一堂に会する「日本遺産フェスティバル in 倉敷」が開催されます。会場は倉敷アイビースクエアがメインで、オープニングセレモニーは倉敷市芸文館で、地元倉敷商業高校書道部による華麗な書道パフォーマンスや、民謡「下津井節」が披露されます。入場は無料です。

※オープニングセレモニーの参加者募集は締め切っています。

日本遺産フェスティバルとは

「日本遺産」とは、地域の歴史的魅力や特色を物語として紡ぎ、文化を次代に伝えていく取り組みで、2015年の制度開始から今年で10周年を迎えます。今回のフェスティバルは、その節目を記念する全国規模のイベント。日本各地の104の日本遺産ストーリーが倉敷に集い、地域の伝統芸能・工芸・食文化などを紹介します。

まち全体が“日本遺産ミュージアム”

フェスティバル期間中は、各地の展示やステージ、体験イベントも多数開催。会場の倉敷アイビースクエアや美観地区を歩けば、まちそのものが“生きた文化博物館”に。地元食材を使った名物料理、スイーツ、地酒のほかに、伝統的酒造りがユネスコ無形文化遺産登録されたことを記念し、全国の日本遺産認定地域の選りすぐりの地酒も楽しめます。秋の倉敷で、全国の物語と出会う2日間をぜひ楽しんでみてください。

倉敷 3つの日本遺産ストーリー

倉敷市は全国でも珍しい“三つの日本遺産ストーリー”を持つまち。

  • 『一輪の綿花から始まる倉敷物語~和と洋が織りなす繊維のまち~』
  • 『荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~』
  • 『「桃太郎伝説」の生まれたまち おかやま〜古代吉備の遺産が誘う鬼退治の物語〜』
    これらの物語がフェスティバル全体のテーマカラーとなり、倉敷ならではの“歴史と文化の交差点”を体感できます。
会場となる倉敷アイビースクエアは旧倉敷紡績本社工場の施設を再利用した複合観光施設

アクセスはJR倉敷駅から徒歩約15分と便利で、多彩な展示やワークショップ、特産品販売、ステージイベントなど盛りだくさん。歴史ある町並みを背景に、倉敷市ならではの文化体験が満喫できる絶好の機会ですよ。

倉敷の三つの日本遺産を歩く

一輪の綿花から始まる倉敷物語 ~和と洋が織りなす繊維のまち~

語らい座大原本邸(旧大原家住宅)
井上家住宅
大橋家住宅

倉敷川沿いの白壁の町並みが広がる美観地区は、江戸期の商人の繁栄を象徴するエリア。大原家・大橋家などの商家では当時の富と意匠を、倉敷アイビースクエアや倉紡記念館では近代化の歩みを感じられます。

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物語のはじまりは、江戸時代の干拓事業にあります。海を相手に土地を拓いた人々は、広大な土壌で綿花を栽培し、その白い花がやがて倉敷の繁栄をもたらしました。この干拓の歴史を今に伝えるのが、「一の口水門」と「板敷水門」。「一の口水門」は高梁川と玉島港をつないだ運河の入口、「板敷水門」は潮の干満を調整して干拓地の水を排出した施設です。静かな水面に立つ水門の姿は、倉敷の“ものづくりの原点”を語りかけてくれます。

一の口水門。この水門は、高瀬舟と呼ばれる平底の舟で物資を運ぶための重要施設で、17世紀後半から20世紀初頭まで長期間にわたり水運に活用されました。
板敷水門は、江戸時代末期に作られた三つの水門の一つ。幅10メートル、深さ6メートルの石垣には高度な花崗岩の石積み技術が用いられており、干拓後も堤防としての役割を果たした歴史的な遺構です。

さらに物語は、戦後の「ジーンズの聖地」児島へとつながります。国産ジーンズ発祥の地として知られる児島では、伝統の織布技術が現代のファッション文化と融合。世界に誇るメイド・イン・ジャパンのデニムブランドが誕生し、今も町全体でそのクラフトマンシップが息づいています。倉敷の繊維物語は、時代を越えて“美と技の系譜”として今も続いているのです。

児島ジーンズストリート

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一輪の綿花から始まる倉敷物語 ~和と洋が織りなす繊維のまち~

「桃太郎伝説」の生まれたまち おかやま 〜古代吉備の遺産が誘う鬼退治の物語〜

誰もが知る昔話「桃太郎」。そのモデルといわれているのが、古代吉備を治めた吉備津彦命です。彼が鬼退治を行ったとされる吉備の地。伝説の舞台は、今も倉敷にその痕跡を残しています。

盾状の巨大な列石がならぶ楯築遺跡
旋帯文石

弥生時代後期の国内最大級の墳丘墓「楯築遺跡」は、吉備津彦命が鬼退治に用いた“楯”を築いたと伝えられる場所。頂には五つの巨石が立ち並び、まるで古代のストーンサークルのような神秘的な景観を見せます。渦巻き模様が刻まれた旋帯文石も祀られ、古代信仰と伝承の深い結びつきを今に伝えています。

鯉喰神社

そして「鯉喰神社(こいくいじんじゃ)」は、鬼退治伝説の中で温羅が化けた鯉を吉備津彦命が鵜になって鯉を食べたと伝わる場所。

箭田大塚古墳

さらに「箭田大塚古墳」では、鉄剣や装飾品が出土し、長大な石室からは古代吉備の繁栄を実感できます。吉備の地に点在するこれらの史跡群を歩けば、昔話がただの物語ではなく、悠久の歴史の記憶であったことを感じられるでしょう。

桃太郎伝説の生まれたまち ~古代吉備の神話と遺跡を歩く~

荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間 ~北前船寄港地・船主集落~

下津井の祇園神社からは瀬戸大橋と下津井の海を一望できます
下津井町並み保存地区

瀬戸内海を望む下津井は、江戸期から北前船の寄港地として栄えた歴史ある港町。
白壁やなまこ壁の町並みが続く「下津井町並み保存地区」では、潮待ち・風待ちの港として賑わった往時の姿が残ります。

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倉敷という“物語の交差点”へ

倉敷は、江戸の商都としての繁栄、古代吉備の伝説、そして海の交易がもたらした文化の流れ――まったく異なる時代と物語が、一つのまちの中で静かに響き合う場所です。

美観地区や児島を歩けば、綿花からジーンズへと続く繊維の物語。真備や庄の丘に立てば、古代吉備の伝説が息づく世界。下津井や玉島の港町に足を伸ばせば、北前船が運んだ商いと人の記憶が潮風に混じります。

このまちの魅力は、歴史をただ“見る”だけでなく、“つながりとして感じられる”ところにあります。2025年秋、日本遺産フェスティバルをきっかけに、倉敷という“物語の交差点”を訪ねてみませんか。

協力:倉敷市

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