児島ジーンズストリートさんぽ ~生みの親と歩く、注目のショップ巡り~
JR瀬戸大橋線・児島駅から徒歩15分。児島味野商店街の一角にある「児島ジーンズストリート」はジーンズ関連業に携わる地元の方たちによって2009年に誕生したジーンズショップが建ち並ぶ観光通りです。ミシュラン・グリーンガイドには「ジーンズの日本の都」として掲載され、国内外から多くの観光客が訪れるのはもちろんジーンズ関連企業に就きたいという若い世代も集まっています。記事ではジーンズストリートの注目ショップをご紹介します。
今回は児島ジーンズストリートの企画と運営に尽力する株式会社インターグロー取締役社長の真鍋 寿男さん(株式会社ジャパンブルー創業者)と一緒にストリートを散策。魅力を紹介していただきながら、世界的観光地になった歴史を教えていただきました。
目次
記事の末尾には今回ご紹介する児島ジーンズストリートのショップと駐車場の位置を記したウェブマップを掲載しています。おすすめのカフェやショップなど、児島ジーンズストリートの回り方の参考にしていただければ幸いです。
児島市民交流センター前から散策スタート
ジーンズストリート誕生の背景
ストリートの起点は児島市民交流センターの前から。すぐに商店街へと入っていきます。どこか“昭和レトロ”を感じる商店街の景色。視線を落とすと路面もブルーに染められていることに気付きました。
歩きながら真鍋さんは立ち上げ当時を振り返ります。
真鍋さん:
味野商店街に漂う、この歴史を感じる雰囲気に当時は着目しました。そして単にジーンズを並べるのではなく、児島にしかないものをそろえることで「児島に行きたい!」と思ってもらおうと、その打ち出し方を試行錯誤しました。
空き店舗の誘致を本格的に開始したのは2010年からでした。5軒ほどの店舗があった時点で来訪者も確実に増えていました。ストリートに訪れた方のほとんどが買い物をしてくださっていたので、前向きに取り組み続けました。
通りの両側にはジーンズショップが並んでいます。現在はこのあたりだけですでに5店舗以上がありました。
真鍋さん:
ここに出店してからブランドを立ち上げている職人さんや地元の縫製工場も多いんですよ。それぞれのショップが発信力と強みを持っています。
BLUE SAKURA JEANS STREET KOJIMA
自社工場を有し、縫製や加工も行っています。「青い桜」を意味する“BLUE SAKURA”というブランド名には「存在しないものを創りあげたい」といった想いが込められています。BLUE SAKURAのジーンズは、最先端の加工技術を持つ職人の手で表現された、オリジナリティあふれる加工が施されています。美観地区にも直営店があります。
DENIM BAR
生地から選定して「世界で1本だけのジーンズ」作り上げるブランド「graphzero」がプロデュースするデニム専門店「DENIM BAR(デニムバル)」。アイテムは自社で一貫生産しているため、企画からデザイン、縫製までこだわって作られています。バッグや財布などの小物も好評で最近はペット用のアイテムもリリースされています。本社工場では予約をすれば工場見学もできるほか、ジーンズを作っている工程を見て学ぶことも可能です。graphzeroは倉敷美観地区にもHeart Made Base阿知本店、Heart Made Base大原美術館店の2店舗を構えています。
個性あふれるショップが並ぶストリート
晴れわたった空にジーンズのアーチ。ストリートの象徴的な景色です。路面はブルーのアスファルトから石畳に変わりました。通りにある店舗のほとんどが空き店舗や空き家をリノベーションしたものだそうです。
真鍋さん:
空き店舗や空き家を改修してショップにしていますが、建物によって傷み具合が違うところに苦労しています。ボロボロの建物の場合は皆で協力して改修しました。デニムの生地を貼って補修するなど手作りの部分も多いんですよ。
真鍋さん:
ここ5年ほどのうちに休憩コーナーやトイレなどを設置しています。ここまで整備するのにかなりの時間が掛かりました。
ゆったりと石畳の道を歩きながら並んでいるショップをハシゴ。個性的でスタイリッシュなジーンズショップや、お土産品を取りそろえたショップが続きます。お邪魔したショップオーナーのみなさんは快活な方ばかりで、話していると元気をもらえます。
MuuSAN63
1951年創業。一家で営む「宮本被服」の自社ブランド「MuuSAN63」。レディース向けのアイテムがメインでオリジナルデザインのパンツや美しいシルエットのスカートのほか、バッグやポーチなどの小物などが豊富にそろいます。
林檎堂
「シンプルでかっこ良く、毎日着られるデニム」をコンセプトにしている「林檎堂」。「これまでデニムに縁がなかった方でも楽しんでもらいたい」という思いが込められている洗練されたデザインのアイテムが魅力です。ショップのドアをくぐると笑顔が素敵なオーナーが迎えてくれます。アパレル歴の長いオーナーに着こなしを相談してみてみるのも良いかもしれません。
038 OMIYA
デニム製品や手作り雑貨、瀬戸内エリアの名産品がそろうセレクトショップ。ジーンズストリートでしか手に入らないオリジナルアイテムや作家による一点もののアクセサリーなどもあり、お土産探しにぴったりです。店の前に設置された「デニムガチャ」ではジーンズストリート限定商品を用意しています。
カフェで小休止。デニムに関連したメニューを味わって
株式会社ジャパンブルーがプロデュースするカフェ「CAFÉ JAPAN BLUE GARDEN」でひとやすみ。藍を使ったドリンクをいただきます。
●CAFÉ JAPAN BLUE GARDEN
デニム染料の原料であるとともに食品としても使用される「藍」を用いたメニューが楽しめます。特定郵便局だった建物をリノベーションしており、奥にはガーデンテラスも。オリジナルのスペシャルティコーヒーや藍色をイメージしたオリジナルメニューを味わいながらくつろげます。店内で販売されている藍を使った雑貨は、お土産としても喜ばれそう。
店名 CAFÉ JAPAN BLUE GARDEN
営業時間 10:00~17:00
定休日 不定休、年末年始
電話 086-476-7980
真鍋さん:
今後は飲食店も増やしたいと考えています。もちろんジーンズストリートの周辺にも飲食店はたくさんありますが、幅広い年齢の方にもっと長く滞在していただきたいなと考えています。
ストリートに響く高機(たかばた)の音
「桃太郎ジーンズ」では店舗で職人の方が生地を織っているので、買い物をしながら生地ができあがる場面も見ることができます。力強く織られていく様子に真摯なものづくりを感じずにはいられません。
桃太郎ジーンズ 児島味野本店
生地を織る高機(たかばた)は硬いデニムの生地を織るため特別に強化されています。色落ちしづらいデニム生地を使ったスーツもオーダーメイドできます。通りを挟んだお向かいにはロケ地としても有名な旧野﨑家住宅があります。
住む人がいなくなった民家をショップに
最後に真鍋さんが創業した「JAPAN BLUE JEANS」のショップへお邪魔します。
真鍋さん:
もともと民家だった建物をショップとして使わせていただくことになったんです。私も改修作業に直接関わっています。
JAPAN BLUE JEANS児島店
海外展示会用に製作したモデルをブランド化。“生地屋”ならではの豊富な生地バリエーションと美しいシルエットが特徴です。シルエットの種類も豊富。コーディネートの提案もしてもらえるので、気軽にスタッフにご相談を。
<まとめ>世界で認められるジーンズの聖地へぜひ来訪を!
真鍋さん:
児島は国産ジーンズのルーツであり、世界中から「ナンバーワン」の評価を受けています。染め、織り、縫製や加工すべてに職人の技が生きているのです。40店舗以上があるジーンズストリートにぜひお越しください。
ショップをめぐる感覚はアート作品を観賞しながらめぐる感覚にも似ています。好みのデザインのジーンズに出会うとドキドキワクワク。とっておきの1着との出合いがあるかもしれません。1日中楽しめる児島ジーンズストリートにぜひ訪れてみてくださいね。ストリートに面して、ドラマのロケ地としても有名な旧野﨑家住宅もおすすめです。児島の歴史をより深く知ることができますよ。
児島ジーンズストリートの駐車場
この記事で紹介したショップと駐車場マップ
マップ上のショップと駐車場の位置
BLUE SAKURA JEANS STREET KOJIMA
DENIM BAR
味野第4公園(ポケットパーク)
MuuSAN63
林檎堂
038 OMIYA
CAFE JAPAN BLUE GARDEN
桃太郎ジーンズ 児島味野本店
JAPAN BLUE JEANS児島店
無料専用駐車場
倉敷市児島味野1丁目13
※無料専用駐車場はNo.1〜No.10のみです。
無料専用駐車場2
倉敷市児島味野1丁目13
※利用条件がございます。詳細はこちら
市営第一駐車場
倉敷市児島味野2丁目2−38
一般駐車場:8台
障害者用駐車場:5台
1時間100円(最大500円)
市営第二駐車場
倉敷市児島味野2丁目2
一般駐車場:38台
1時間100円(最大500円)
市営第三駐車場
倉敷市児島味野1丁目5−3959−32
一般駐車場:175台(内地下駐車場100台)
障害者用駐車場:2台(地下駐車場)
1時間100円(最大500円)
自家用車・公共交通機関でのアクセス
遠方からの児島ジーンズストリートへのアクセスは鉄道がおすすめです。岡山駅からJR児島駅までは約25分。JR児島駅からジーンズストリートまでは徒歩で約15分です。児島から美観地区の倉敷デニムストリートへ行く場合、児島駅から岡山駅で乗り換えてそこから約20分で倉敷駅です。
営業時間は店によって異なりますが、10時からの店舗が多く午前中はしまっている店もあります。また、お昼時の12時から13時のあいだも、店によりお昼休みとなっていますので、多くのお店を間ありたい場合、週末の午後がおすすめです。
児島ジーンズストリート
アクセス:
<車>瀬戸中央自動車道児島ICより車で約10分、水島ICより車で約15分 <電車>JR瀬戸大橋線 児島駅下車徒歩で約15分
<バス>児島文化センター前、大正橋、野崎家旧宅前下車
※路線によって停留所が異なります。
児島にはジーンズミュージアムも
児島には「ベティスミスジーンズミュージアム&ヴィレッジ」もあります。実際にジーンズ作りを体験したり、国産ジーンズの貴重な資料を展示するミュージアムがあったり、工場を見学できたりします。アウトレットストアもありますよ。
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倉敷デニムストリートにも足を伸ばしてみては?
倉敷美観地区にある「倉敷デニムストリート」も、美観地区の散策をしながら立ち寄れるデニム専門の複合施設として注目を集めているのを知っていますか。駅からのアクセスも良好なので、児島まで足を延ばしたいけれど、時間的に余裕がないという方にもぴったりの場所です。
「児島ジーンズストリート」と「倉敷デニムストリート」を両方訪れる場合、移動時間は車で約30分、鉄道で約1時間です。「倉敷デニムストリート」の最寄り駅はJR倉敷駅、「倉敷デニムストリート」の最寄り駅はJR児島駅ですのでご注意ください。「倉敷デニムストリート」については以下の記事を御覧ください。
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