ひょんなげ百景　NO.008 餅つき・昼寝・酒盛りの巨石群?「鬼の差し上げ岩」

桃太郎の伝説の元になったと言われている吉備津彦命と温羅。その温羅の根拠地と言われる謎に満ちた古代の山城「鬼ノ城」が総社市にある。

その鬼ノ城から北西へ3kmほど進んだ「岩屋」と呼ばれる一帯に、「鬼の差し上げ岩」という全国的に有名な巨石があるそう。名前からして既にワクワクする。鬼が差し上げた岩？それとも鬼に差し上げた岩？

実際に見てみると、その姿は圧巻。巨大な岩の上に、さらに巨大な岩が不安定そうに乗っかっている。これはまさに「差し上げ」られているように見える。鬼の仕業としか思えない。

近くには鬼の手形らしきものまであるという。「ほら、鬼の手の跡があるでしょ。だから鬼がやったんだよ」と言われると、つい「なるほど！」と思ってしまいそう。しかし、実はこの地域は平安時代に山岳仏教が栄えた場所だったらしい。巨石と宗教は深い関係があるようだ。でも、それはそれとして、やっぱり鬼の仕業説を信じたい。

近くにある鬼ノ城という古代山城。ここは桃太郎伝説の舞台とも言われている。鬼の差し上げ岩と鬼ノ城、これらは同じ鬼の仕業なのだろうか？それとも別の鬼？鬼の住宅事情が気になってきた。総社市の設置した案内板によると温羅が巨石を差し上げて岩窟を作り、すみかとしたそう。ということは、温羅は最初に岩屋を作り、そのあと城を作った？それとも岩屋がマイホームで鬼ノ城は職場？

「鬼の差し上げ岩」の周囲には「鬼の餅つき岩」「鬼の昼寝岩」「鬼の酒盛り岩」などの名前のついた巨石がたくさん。ん？餅ついて、昼寝して、酒盛りして鬼さん生活をエンジョイしてたのかな？

大昔の信仰の場でもあり、鬼の住処とも言われる「鬼の差上げ岩」は神秘的な雰囲気の漂う巨石の居並ぶ「ひょんなげ」なスポットでした。実はアニメの舞台として初期の聖地巡礼先としても人気の場所でしたね。

それでは、次なる「ひょんなげ」スポットを求めて、さらなる冒険(?)の旅に出発です！「ひょんなげ百景」は毎週金曜日に更新です。次回の「ひょんなげ」をお楽しみに。