ひょんなげ百景　NO.017　「水を飲む龍」が封印!？「井山宝福寺の天井画」

今回は不思議な言い伝えのある絵が岡山県総社市にある井山宝福寺の仏殿にあると聞いて、ちょっとミステリアスな天井画を見てきました。

画聖・雪舟ゆかりの地として知られる「井山宝福寺」。禅寺らしく一歩境内に足を踏み入れると隅々まで手入れをされた庭を始め、静謐な雰囲気に満ちています。

仏殿に入ると、まず目に飛び込んでくるのが天井一面に描かれた巨大な龍の絵。なんと直径6メートルもあるんです。これ、単なる装飾じゃないんですよ。実は「水呑みの龍」と呼ばれる、「ひょんなげ」な伝説を持つ龍なんです。

地元の言い伝えによると、この龍、夜になると絵から抜け出して、寺の白蓮池の水を飲みに来ていたそうです。えっ、絵から出てくるの!? しかも水を飲みに!? 龍さん、のどが渇いてたの...?

さすがに絵から出てくる龍を目撃したら怖いですよね。村人たちも恐れをなして、ある対策を講じました。それは...龍の目に釘を打ち込むという荒業。龍さん、痛くなかったのかな...。

この「水呑みの龍」、実は約250年前に望月派の大家である号山（ごうざん）和尚が描いたものだそうです。当時の画僧さん、すごい迫力の絵を描きますね。今にも動き出しそうな...って、本当に動き出したんでしたっけ。

釘を打たれた後、龍さんは大人しくなったそうです。でも、私が見た限り、今でもその迫力は健在。目には釘が刺さっているようには見えませんでしたが...もしかして、いつか釘が抜けて...なんてことはないですよね？（ドキドキ）

画聖・雪舟の鼠の逸話だけでなく、号山和尚の龍の天井画まで、これほど絵にまつわる逸話が豊富なお寺がほかにあるのでしょうか？絵を志す人はなにかご利益があるのでは？もちろん禅寺として座禅会も開かれているので、美に縁の深いお寺で座禅体験もおすすめです。

それでは、次なる「ひょんなげ」スポットを求めて、さらなる冒険(?)の旅に出発です！「ひょんなげ百景」は毎週金曜日に更新です。次回の「ひょんなげ」をお楽しみに。