瀬戸内のアート旅は、ここからはじまる 玉野市宇野港
直島、豊島、小豆島──瀬戸内の島々を舞台に繰り広げられる瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)。その本州側の玄関口として、多くの人々を迎え続けているのが、岡山県玉野市の宇野港です。



フェリーの便数も多く、アクセスの拠点として知られる宇野港ですが、ここは単なる乗り継ぎ地点ではありません。
芸術祭の開催をきっかけに、多くのアーティストがこの港町に魅了され、やがて作品を残し、そして地域の人々の暮らしの中にアートが根付いていきました。今では、町そのものが一つの美術館のような空間として、多くの旅人を惹きつけています。本記事では、そんな瀬戸内のアート旅の起点、宇野港の魅力をお伝えします。



宇野港から各島へのアクセスは良好
島名 | 所要時間(片道) | 主な施設 |
直島 | 約20分 | 地中美術館、ベネッセアートサイトなど |
豊島 | 約40分 | 豊島美術館、唐櫃の棚田アートなど |
小豆島 | 約90分 | 中山の棚田アート、醤の郷など |
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瀬戸芸とともに育つ港町・玉野──宇野港のアートの今とこれから

瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)がスタートしてから15年。直島や豊島へとつながる玄関口として、そして芸術の土壌として注目されてきた岡山県玉野市・宇野港。地元としてどのようにアートと関わり、受け入れ、育ててきたのか。市の取り組みと展望について、玉野市商工観光課に聞きました。
宇野港と瀬戸内国際芸術祭
― 瀬戸芸とともに、玉野でもアートの取り組みが広がってきた印象があります。どのような経緯で関わるようになったのでしょうか?
「そうですね、瀬戸内国際芸術祭は2010年に始まりました。それをきっかけに瀬戸内海の地域全体が活性化し、玉野市も2013年から正式に“改港”という形で芸術祭に参加することになりました。そこからは芸術祭の開催年に限らず、通年でアート作品を設置したり、交流人口や観光客の増加を見込んだ観光政策の柱として、継続して取り組んでいます」

地域との連携──商店街や企業とともに
― 地元の商店街や企業との協力も進んでいると聞きます。そのあたりの具体的な取り組みは?
「はい。玉野市独自の実行委員会として『たまのおもてなし推進委員会』という組織があります。ここには民間企業や関係団体、行政などが委員として加わっていて、みんなで一体となって取り組んでいます」
― 宿泊施設や交通機関なども協力されているのでしょうか?
「そうですね。宿泊施設さんや交通関連の方々も含めて連携しています。芸術祭の時期には全国から、そして海外からも多くの方が訪れるので、玄関口としての宇野港の役割は非常に大きいと感じています」
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― 瀬戸芸の島へ渡る前に立ち寄る宇野港。このエリアの魅力を、改めて教えていただけますか?
「港町として栄えてきた歴史がある街並みで、今もどこかゆったりとした時間が流れています。都会の喧騒を離れ、海を眺めながらカフェで過ごしたり、地元の美味しいものを楽しんだりと、のんびり過ごしていただけるのが魅力だと思います」
瀬戸内国際芸術祭をきっかけに、アートの息吹は玉野のまちへと広がり、地域との連携のもとで育まれてきた。宇野港を訪れる人々がその風景と空気に心をほどき、穏やかな時間を楽しむように、アートとまちの関係もまた、ゆるやかに、しかし着実に深まっています。今後もこの玉野ならではの魅力が、アートとともに広がっていくでしょう。
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