よみがえれ!吉備の至宝 岡山大学考古学研究室が楯築遺跡の貴重な遺物修復のクラウドファンディングに挑戦中

倉敷市にある楯築遺跡。5つの巨石から成るストーンサークルや、不思議な紋様が刻まれた御神体「亀石」など古代のロマンに溢れる遺跡です。

岡山大学考古学研究室は、岡山を中心とした遺跡の発掘調査を行ってきました。その中でも、倉敷市楯築墳丘墓(楯築遺跡)の調査は特に重要なプロジェクトです。楯築墳丘墓は弥生時代最大の墳墓で、前方後円墳の起源や日本の国家成立を研究する上で欠かせない資料となっています。

「埴輪の起源」とされる特殊器台

楯築墳丘墓から出土した特殊器台は、教科書の副読本や数多くの図録に掲載され、「埴輪の起源」とされる貴重な遺物です。しかし、発掘から約50年が経過し、接着剤や石膏の劣化が進行しています。そのため、脚部が自重に耐えられない状態となり、10年以上にわたって博物館等への貸し出しを断っている状況だといいます。

特殊器台を最新の技術で復活を

クラウドファンディングサイトのプロジェクトページ

そこで岡山大学考古学研究室は、貴重な特殊器台を修復するプロジェクトを立ち上げました。修復にかかる総費用は287万円で、そのうち150万円が不足していました。2024年9月9日から実施したクラウドファンディングでは、わずか11日で目標金額の150万円を達成。目標達成後、岡山大学考古学研究室は新たな目標(ネクストゴール)を280万円に設定しました。追加の支援金は、楯築墳丘墓小型特殊器台の修復に充てられる予定です。

寄付は5000円(+システム利用料)から可能で、額に応じ「特殊器台紙製クリアファイル」や調査報告書などがお礼として用意されています。

今後のスケジュールとしては、2025年3月特殊器台の修復、2026年2月小型特殊器台の修復を完成させる予定です。

岡山大学考古学研究室の清家章教授は、支援者への感謝の意を表すとともに、残りの期間も引き続き支援を呼びかけています。

倉敷市楯築墳丘墓出土特殊器台修復プロジェクト

この記事が気に入ったらフォローしてね!

関連記事

吉備の貴重な出土品を展示 美観地区の倉敷考古館で“歴史”を楽しむ

美観地区の中心部・中橋のたもとに立つ、なまこ壁のレトロな建物でおなじみの倉敷考古館。江戸時代の米倉を改装したもので、倉敷…

岡山・吉備路 古墳のガチャ「ガチャふん」登場 おみくじやカンバッジなど

備中国分寺や多くの古墳など歴史ロマンあふれる史跡群で人気の岡山県の吉備路。その吉備路の新たなお土産が登場しました。その名…

歴史ロマン薫る「古墳珈琲」1周年を記念して新たに「豪族ブレンド」登場

岡山の観光スポット「吉備路」の土産として人気のドリップコーヒー「古墳珈琲」のラインナップに、新たに「豪族ブレンド」が登場…

吉備路サイクリングで春を探しに!寄り道スポットも紹介

5月は爽やかな風を受けながらサイクリングを楽しめる季節。今回は総社市から岡山市までをつなぐ「吉備路自転車道」で編集部が実…