犬型医療シミュレーター「しばわん」登場 看護教育に“リアルな練習台”

倉敷芸術科学大学と株式会社anifull(大阪市)が共同開発した犬型医療シミュレーター「しばわん」が、2025年5月に発売されました。

見た目はぬいぐるみのような「しばわん」ですが、その中身は本格的。体重は約3kg、内部にはプラスチック製の骨格が内蔵され、関節の動きも自然です。口まわりや耳、瞼(まぶた)などのパーツもリアルに再現されており、保定、採血、気管挿管、点眼、体温測定、耳処置、投薬など、看護の幅広い手技に対応しています。

現場で想定される使われ方

「しばわん」は、動物看護系の大学や専門学校、また動物病院などの研修現場での使用が想定されています。たとえば…

保定練習:体重や四肢の可動性があるため、実際の犬に近い感覚での押さえ方を練習できます。動きに慣れることで、実動物へのストレスを軽減。
採血・点滴処置:前肢に血管チューブが仕込まれており、静脈注射や留置針の挿入練習が可能。複数人でのローテーション実習にも対応。
気管挿管・口腔チェック:開閉する口や喉の構造を用いて、気管挿管や口内の視診、処置のトレーニングに。
日常ケア練習:点眼、耳掃除、肛門処置、体温測定など、日常的なケアの技術も繰り返し練習できる。

実際の犬を相手に行うには負担や危険がともなう処置も、安心して繰り返し練習できるのが「しばわん」の大きな利点です。特に、まだ動物に慣れていない学生にとっては、初期のハードルを下げる重要な教材となります。

また、2023年には猫型の採血シミュレーター「ねこにゃん」も登場しており、動物ごとの違いを理解しながら技術を磨くことも可能に。

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医療精度が求められる今、かわいい見た目に本格的な設計を備えた「しばわん」は、動物医療の未来を支えるパートナーとして、教育現場に新たな価値をもたらしそうです。価格は税込48,100円。

関連リンク

倉敷芸術科学大学

株式会社anifull

ダイヤ工業株式会社

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