倉敷美観地区の隠れた宝石 無料で見学できる日本庭園「新渓園」

倉敷美観地区に本格的な日本庭園があるのをご存知ですか?大原美術館のすぐ裏に位置する「新渓園」は、由緒ある日本庭園を無料で楽しめる穴場スポットです。

大原美術館の横の通りを入ってすぐのところにある「新渓園」は、1893年に倉敷紡績(クラボウ)の初代社長である大原孝四郎の還暦を祝して建てられた別荘でした。明治を代表する作庭家、小川治兵衛による作庭で、1922年には、孝四郎の息子で大原美術館の創立者である孫三郎によって倉敷町に寄贈され、以来、訪れる人々に親しまれる憩いの場となっています。

56畳の広さを誇る敬倹堂

新渓園の中心となるのが「敬倹堂」と呼ばれる建物です。高い天井と立派な梁が特徴的な純和風の建築物で、骨組みは設立当時のままを保っています。56畳の大広間はそれだけでも一見の価値があります。敬倹堂の魅力の一つが「額縁庭園」です。柱や鴨居を額縁に見立てて庭園を鑑賞する手法で、和室から眺める庭の景色は絵画のような美しさです。

新渓園は大原美術館に隣接していて、庭園の東屋からは向かいに位置する大原美術館分館前の野外彫刻を鑑賞できるなどアートスポットとしても人気です。伝統的な日本庭園とモダンと和の美意識が調和した大原美術館分館。日本の庭園美、モダン建築の美を野外彫刻の魅力と一緒に味わえるとても贅沢な空間です。

大原美術館分館
大原美術館分館は建築家 浦辺鎮太郎による倉敷を代表する建築物の一つ

基本的に無料で公開されており、受付もないため自由に見学できます。ただし、レンタルスペースとしても利用されているため、イベント開催時は一部エリアが立ち入り禁止になることがあります。

新渓園は、倉敷美観地区の中心で、日本の伝統美と静寂に浸れる貴重なスポットです。無料で楽しめる上質な日本庭園として、多くの人々にも愛されています。倉敷美観地区を訪れた際は、この隠れた宝石のような庭園で、ゆったりとした時間を過ごしてみるのはいかがですか?

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