園内に放し飼い!? 動物との距離が近すぎる、渋川動物公園の魅力を探ってみた

「渋川動物公園」といえば、一般的な動物園とは異なり、動物たちが放し飼いに近い状態で飼育されているのが特徴です。動物たちと身近に触れ合えるとあって、子どもから大人まで楽しめます。今回は、同園が行っているサービスである「わんこ散歩体験」のワンちゃんと一緒に園内を巡りながら、スタッフの山根美実さんに、まだ知られていない魅力を教えてもらいました。

「渋川動物公園」の入り口の写真 その2
「渋川動物公園」の入り口の写真 その2
入り口では猫と孔雀がお出迎え

渋川動物公園について

ロシアンブルーという品種のねこのシアンちゃんの写真
渋川動物公園内で飼われているリクガメと犬の写真
渋川動物公園内で飼われているリクガメの写真

入口を入ると、すぐそばのベンチでは、看板犬ならぬ看板猫のシアンちゃんが日向ぼっこしていたり、足元にはリクガメが歩いていたり…。さまざまな動物たちがお出迎えしてくれました。これぞ、「渋川動物公園」の醍醐味。そもそも、なぜこのように放し飼いに近い動物園が設立されたのでしょうか。

渋川動物公園の職員の山根美実さんの写真
渋川動物公園 山根美実さん

山根さん

昔ペットショップを経営していた園長が、『動物の命のぬくもりを伝えたい』と、1989年に当園を設立しました。そう考えたきっかけは、死んでしまったカブトムシを『電池が切れた』と言ってペットショップに持ってきたり、4本足のニワトリを描いたりするなど、動物本来の姿を知らずに育つ子どもたちを目の当たりにしたことでした。

当園は、広さが3万坪、遊歩道の全長が約4㎞ある自然いっぱいの動物公園です。約80種・600頭羽もの動物たちのイキイキと過ごす姿を、見たり触ったりして楽しむことができます。

「わんこ散歩体験」でワンちゃんと一緒に園内を巡ってみた

そんな「渋川動物公園」で人気なのが「わんこ散歩体験」。園長が「ペット不可のマンションに住んでいるなど飼いたくても飼えないという方にも、ワンちゃんの散歩体験をしてもらいたい」と考え、園設立当初から始めた企画だそうです。広大な園内を好きなワンちゃんを連れて自由にお散歩できます。お気に入りのワンちゃんがいる常連さんも多く、遠方から通ってくる人もいるのだとか。

待機中、出動中などワンちゃんのステータスがわかるボードのイメージ写真
待機中、出動中などワンちゃんのステータスがわかるボード

●犬種・数

ビーグル、柴犬、ポメラニアン、アメリカンコッカー・スパニエルなど全21頭。

※年齢や体調によって散歩体験を休んでいる犬もいます。

渋川動物公園内で飼われている犬の写真
のんびりと待機している犬や
渋川動物公園内で飼われている犬が散歩をせがんでいる写真
散歩の気配を察知して自らアピールする犬も

●参加費

9~17時:1,700円/14~17時:1,200円(10分でも17時まででも1頭あたりの金額)

※犬の年齢や体調などによって散歩時間の制限あり

●わんこ責任者カード

散歩の際は、それぞれのワンちゃんの年齢や性別、特徴、性格などが書かれたカードが手渡されます。カードは、「一頭一頭のことを知って仲良くなり、家族のように過ごしてもらいたい」との想いを込めてスタッフの方々が手書きで作成しているそう。また、事故のないように過ごしてもらうため、裏面にはお散歩のルールも書かれています。

犬とのお散歩ルールが記された「わんこ責任者カード」のイメージ写真

いよいよ、わんこ散歩体験スタート!

今回は、「これまで犬を飼ったことがなく、散歩も初めて」という、KCTタウン編集スタッフが体験しました。まずは「お散歩に連れて行ってー!」とアピールするワンちゃんたちの中から、パートナーの1匹を決めます。今回、一緒に散歩することにしたのは、大人気のポメラニアン・チキータ君(2017年生まれ)。「わんこ責任者カード」を首にかけ、リードとお散歩セット(スコップ・水・袋が入ったミニバッグ)を借りて、さあ出発です。

遠くから散歩をせがんでいる犬の写真
遠くにいたのにめっちゃこっちを見ているチキータ君。目が合いました
散歩をせがんでいる犬の写真
近くによるとこの表情。散歩のベテランです
犬とのお散歩で使用するお散歩セットのイメージ写真
お散歩セットも忘れずに
散歩することに全身で喜びを表現する犬の写真
犬の散歩が生まれて初めての編集スタッフT。さて

13カ所のエサポイント

山根さん

渋川動物公園には13カ所のエサポイントがあります。箱に置いてあるエサを取って各ポイントの動物たちにあげていただけますよ。エサ代は園設立当初から変わらず100円です。

渋川動物公園内の餌ポイントの餌入れの写真
渋川動物公園内の餌の写真
渋川動物公園内で馬に餌をあげる写真

有機無農薬で育った季節の植物たち

山根さん

春はわらびなどの山菜やサクランボ、夏はブルーベリー、秋は栗、冬はキウイなど、四季折々の植物が有機無農薬で育てられているので、自然豊かな景色を楽しんでいただけるのもポイントです。

また、園内では動物たちの排泄物を集める堆肥場も設置しており、ミミズやダンゴムシなど自然の力で堆肥にしています。それを果樹たちの栄養分にして、実った果実をまた動物たちが食べる。こうして自然の循環を大切にしているんです。

散歩中のポニーとすれ違ったときの写真
散歩中のポニーとすれ違いました
散歩中に大人の羊とすれ違ったときの写真
園内には大人の羊と
散歩中に子山羊とすれ違ったときの写真
子山羊たちも自由に歩き回っています

瀬戸内海を一望できる「優駿の丘」

園内を犬と散歩している写真
園内から臨める眺望の写真
園内を犬と散歩している写真

山根さん

遊歩道を進んで緩やかな坂道を登ると、「優駿の丘」というスポットが見えてきます。ここからは瀬戸内海を一望できます。当園では乗馬体験もあるので、馬に乗ってここに立ち寄るのもおすすめです。

「はじめて」の体験ができる場所

山根さん

動物や自然との触れ合いを通して、お子さんからご年配の方まで、何かしら“はじめての体験”ができると思います。

園内を犬と散歩している写真
園内を犬と散歩している写真

ワンちゃんの散歩初体験だったKCTタウン編集スタッフも、「とにかく楽しかった!最初は勝手が分かりませんでしたが、少しずつ慣れてきました。散歩を終えて、トリミング室に入ったチキータ君を窓から見ていたら、私を見つめ返してくれて嬉しかったですね」と、短時間にも関わらず、しっかり愛着が湧いた様子でした。

園内を犬と散歩している写真
園内を犬と散歩している写真

「渋川動物公園」で楽しめる、さまざまな動物たちとの触れ合いや、季節ごとの植物の美しさ。そこには、長年、動物たちと築き上げてきた信頼関係や、大切に育ててきたスタッフの方々の愛情があふれていました。

山根さん:動物や自然と楽しく触れ合っていただくために、ぜひ愛情を持って接していただきたいですね。また、ここでの体験を通して、動物や自然により興味を深めていただき、地球環境を考えるきっかけにしていただけると嬉しいです。

DATA

渋川動物公園  

住所:岡山県玉野市渋川3-1077-1 

TEL:0863-81-3030
開園時間:9:00~17:00(最終入園は16:30まで) 休日:年中無休

入園料:大人/1,500円・中人(小中学生)/1,000円・小人(2歳以上)600円

年間パスポート:大人/7,000円・中人(小中学生)/4,800円・小人(2歳以上)3,000円(※2023年4月から)

※お客様のワンちゃん他、小動物は、ご入園できないことになっております。
※18歳未満の方は保護者同伴で、ご入園ください。
駐車場:無料(約100台)

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渋川動物公園

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