ゴマフアザラシやキタオットセイが間近に。 ウミガメのエサやり体験もできる、渋川マリン水族館へ行こう!

「渋川マリン水族館」の愛称で知られる「玉野市立玉野海洋博物館」。1953年に開館して以来、多くの人に親しまれています。瀬戸内海を中心に日本各地の海洋生物が約180種、2000点飼育・展示されており、海の生き物に触れられるタッチングプールや世界各国の貝殻標本、ウミガメのエサやり体験施設なども完備。そんな同施設の見どころを、館長の岡秀彦さんや広報担当の坂本浩隆さんのお話を交えながら、たっぷりご紹介します!

すぐ眼の前は渋川海岸です

「ふれあいタイドプール」で貝やヒトデにタッチ! サメにも触れることが可能

施設内に入ってすぐに目に入ってくるのが「ふれあいタイドプール」。瀬戸内海に生息する貝やヒトデ、ウニ、ナマコなどに直接触れることができるタッチングプールになっています。同コーナーにいる生物はすべて地元の漁師さんからの寄付によるものだそう。また、こちらのプールは中に入ることも可能なので、磯遊び感覚で海の生き物と触れ合うことができます。

ふれあいタイドプール
プールの端にドチザメを発見

さらに、横にはドチザメが飼育されているプールも設けられています。太平洋のはるか沖にいるイメージのサメが、身近な瀬戸内海にも生息しているなんて少し意外ですよね。ドチザメはほとんど危険性がない生き物なので、勇気のある人はそっと手を伸ばして“サメ肌”の手触りを実体感してみてください。

そーっと触らせてもらいました

だだし、ケガや事故は自己責任。はしゃぎすぎたり生き物を傷つけたりすることのないよう、節度を持って楽しみましょう。

予約不要! エサやり体験でウミガメと友達に

近寄ってきて水面から顔を出してくれることも

「ふれあいタイドプール」横の「ウミガメプール」では、5匹の大きなウミガメが悠々と泳いでいます。こちらのコーナーでは、気温が高くなる7月上旬から11月上旬にかけてエサやり体験を実施しています。2024年は7月1日からエサやり体験がスタート。アジの切り身がエサとして一皿100円で販売され、開園後はいつでも体験が可能。事前予約などは基本的に不要ですが、エサがなくなり次第終了となっているので、体験したい方は早めの来園がおすすめ。

いざ館内へ! 大水槽ではエイやサメがスイスイ

屋外施設を堪能した後は、いざ館内へ。中央ホールに展示された、大迫力のツチクジラの骨格標本にも目を奪われますが、一番のメインは水量50tの「大水槽」。アカエイや大きなタイなどが無数に泳ぎ回る姿に目がくぎ付けです。中でも、同館広報を務める坂本さんのおすすめは「トラフザメ」。幼体の頃はシマ模様で、成体になると黒色の斑点が出現して水玉模様に変化します。

坂本さん

トラフザメは主にインド・太平洋域に生息し、現在は生息数が減少している希少な個体なので、ぜひ見てほしいですね。タイミングが良ければ、エサを食べる姿も確認できますよ。

タコやウツボがお出迎え! 瀬戸内の海と熱帯の海の違いを体感

岡山ではおなじみの「ままかり」
イカナゴ

「大水槽」から続く水槽展示室の中は、入口を起点に左側が「瀬戸内海や北海の生き物」、右側が「暖かい海や熱帯の海の生き物」に分類されています。左側エリアには、「ママカリ」の名で親しまれているサッパをはじめ、イカナゴやコブダイ、タコ、ウナギなど、なじみのある魚が多数展示されています。一方、右側エリアには、色彩豊かで大きな魚がスイスイと泳いでいます。毒々しい色をしたウツボやウミヘビ、巨大なクエ、愛嬌たっぷりのネズミフグなどが観察できますよ。

大迫力のウツボ水槽
  • タカアシガニ
  • オオグソクムシ

    ニューカマーの「オオグソクムシ」

  • うなぎ
  • ネズミフグ

    どこかユーモラスな「ネズミフグ」

見どころ満載の同コーナーですが、広報・坂本さんの目下の一押しは「クリオネ」だそう。“流氷の天使”の愛称を持つクリオネは、南極を囲む寒流域で生息する貝の仲間です。

坂本さん

クリオネは、以前は北海道でもよく見られていましたが、近年は海水温度の上昇などで捕獲数も減ってきています。北海道の漁師さんのご厚意により、当館での飼育・展示が可能になりました。テレビなどの映像で見るより、実物はかなり小さいです。一見、何も入ってない水槽に見えますが、うっかりスルーしないでくださいね。

涼を感じる企画展示も!

期間限定の企画展示などにも積極的に取り組んでいる同館。現在はカラージュエリーフィッシュ(ブルー)など、クラゲの展示を行っています。幻想的にライトアップされた水槽の中を優雅に漂うクラゲの姿に涼を感じられます。

また、2024年6月に同館にやってきたばかりの楊枝魚(ヨウジウオ)もぜひチェックを。

坂本さん

楊枝魚は龍神にも例えられる縁起物なんですよ。

テンション爆上がり! ゴマフアザラシとキタオットセイ

中央ホール奥に続く屋外施設では、大人気のゴマフアザラシの「うるち」ちゃんと「もち丸」ちゃんがお出迎えしてくれます。

ゴマフアザラシの泳ぐ様子は上からも見ることができます

岡館長

本来臆病な性格のゴマフアザラシですが、北海道「旭山動物園」からやって来た彼らは、人が来ると近寄って来てくれるほど人懐っこい性格なんですよ。

水槽をじっと覗いていると目が合いました!
気に入ってもらえた?ようです

まん丸のうるんだ瞳と、ヒレ状の短い脚を上下に動かしながら縦横無尽に泳ぐ姿に、大人でもテンション爆上がりすること間違いなしです。

また、ゴマフアザラシに負けず劣らず愛嬌たっぷりなのが、キタオットセイの「うら」ちゃんと「おと」ちゃん。ききゃく類(アシカやセイウチ、アザラシなど)の仲間の中でも、足が長くスタイルが良いという特長を持っています。メスは50㎏程度ですが、オスは大きいものだと270㎏程にまで成長するそう。

岡館長

キタオットセイは自然界でも生息数が減少しています。国内で飼育している水族館も限られているため、ぜひ会いに来てください。

ここを見ずして帰れない!世界の貝殻標本や船の模型

ついつい生き物たちばかりに注意が向きがちですが、見逃せないのが「展示室」。世界各国から採取した、約100種に及ぶ貝の標本をはじめ、フグなどの魚のはく製やナウマンゾウの化石、船舶模型などが多数展示されています。

形も色も大きさも実にさまざまな貝標品の中でも、館長の岡さんが推しているのが「タマノミドリガイ」です。

渋川マリン水族館 館長の岡秀彦さん

岡館長

二枚貝状の殻でありながら実は巻貝という、珍しい貝です。1950年に玉野市で発見され、当館設立のきっかけにもなった貴重な貝なんですよ。とても小さい貝ですが、じっくり鑑賞してみてくださいね。

思い出をカタチに。 売店コーナーには備前焼グッズも

帰り際には、楽しい時を過ごした思い出をカタチとして残せるグッズの購入はいかがでしょうか。施設内に設けられた売店には、ゴマフアザラシやウミガメをモチーフにしたグッズが多数販売されています。変わり種としては、魚をデザインした備前焼の箸置きなどもお手頃価格で販売されていますので、ぜひチェックしてみてください。

まとめ

小規模ながらも、海の魅力をたっぷり堪能できる「渋川マリン水族館」。家族みんなで気軽に訪れることができる料金設定も魅力です。夏休みなどを利用して、ぜひ一度足を運んでみてください。

ミュージックビデオの撮影地にも

岡山が舞台の人気コミックスでアニメ化された『ささやくように恋を唄う』のオープニングソング「Follow your arrows」SSGIRLS(歌:笹倉かな)のミュージックビデオの撮影が、渋川マリン水族館で行われました。映像には玉野商工高等学校や倉敷駅周辺など岡山の人にとっては見覚えのある場所が使われています。作中のエピソードにも出てくる渋川マリン水族館へこの夏お出かけしてみてはいかがでしょう。

渋川マリン水族館

住所:玉野市渋川2-6-1

TEL:0863-81-8111

営業時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)

定休日:水曜 ※祝日の場合は翌木曜

料金:大人(15歳以上・中学生を除く)500円、小人(5歳以上15歳未満・15歳の中学生を含む)250円

駐車場:隣接する市営駐車場利用の場合 1時間無料割引あり(詳細はHP)

HPhttps://www.city.tamano.lg.jp/site/kaihaku/

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