【倉敷美観地区の新たな名所】児島虎次郎記念館 4月3日にグランドオープン

岡山県倉敷市美観地区に4月3日にグランドオープンする「児島虎次郎記念館」は日本を代表する印象派画家・児島虎次郎を顕彰する施設です。この記念館は、虎次郎が収集した古代エジプトや西アジアの美術品と、彼自身の油絵作品を展示しています。

記念館は、国の登録有形文化財である旧第一合同銀行(現在の中国銀行)の建物を改装したもので、約100年前の建築を活かした展示が行われます。3つの展示室には、虎次郎の油絵作品や彼が海外で集めた古代エジプトの美術品など、計54点が展示されます。

上部の窓やステンドグラスから自然光の差し込む1階の展示室。クラシカルな銀行の雰囲気がよく残してあります
ファイアンスと呼ばれるガラスと陶器の性質を併せ持つ素材で作られた器。古代エジプトのファイアンスは鮮やかな青が特徴。ひとつひとつの収集物は決して大きなものではありませんが、児島虎次郎の確かな審美眼によって選ばれ日本にやって来ました

1階にある第1展示室は銀行の趣が残る明るくクラシックな内装で、虎次郎が集めた古代エジプト陶器などのコレクションが展示されています。これらは1923年に倉敷市で開催された展覧会にも出展されたものです。第2・第3展示室には、虎次郎の代表作「初秋」など15点の絵画が並びます。また、古い建物のレンガ壁を活かしたレクチャールームではワークショップなども予定されています。

第2・第3展示室で鑑賞できる児島虎次郎の絵画作品

児島虎次郎は、ヨーロッパやエジプト、中国などで美術品を収集しました。彼は大原孫三郎と共に、西洋絵画だけでなく、古代エジプトや西アジアの美術品も精力的に収集し、日本に持ち帰りました。これらのコレクションは、日本初の私立西洋美術館、大原美術館の礎となりました。

多くの人の協力によりいよいよ開館へ

倉敷アイビースクエア内にあった児島虎次郎記念館は老朽化により2017年に閉館。その後、2020年から現在の場所への移転整備が進められました。当初2022年4月開館予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で資金調達が難航し、2025年いよいよオープンします。

記念館の整備には、「企業版ふるさと納税」を通じて全国69社から約2億2800万円の寄付が集まりました。これに倉敷市からの補助金1000万円が加わり、大原芸術財団へ贈呈されました。

伊東香織市長から大原芸術財団の大原あかね代表理事に贈呈書が手渡されました。左より三浦篤館長、大原あかね代表理事、伊東香織市長

記念館は、4月3日にグランドオープンします。大原美術館の入館券で観覧可能です。美術・工芸・建築が一度に楽しめる美観地区の新たな名所を春に訪れてみてはいかがでしょうか?

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