【インバウンド調査】台湾人・香港人 訪日10回以上のリピーター 9位に「岡山県」 フルーツが魅力
台湾人・香港人向けの訪日観光情報サイト「樂吃購(ラーチーゴー)!日本」のユーザーを対象とした、日本旅行に関するアンケート調査結果が発表されました。
調査では台湾人・香港人に、各地の観光資源となる名産品のニーズなどについて質問され、日本旅行で一番行きたい都道府県を聞くと、訪日回数が10回以上の台湾人・香港人の9位に「岡山県」がランクインし、訪日0~1回の圏外(0人)から、トップ10内に浮上しました。
訪れた地域の名産品やご当地グルメを食べたいか聞いたところ、約100%が「食べたいと考えている」ことがわかりました。また、具体的な名産品やご当地グルメについては「岐阜県の飛騨牛・高山ラーメン」が1位となりました。有効回答数は3644です。
訪日台湾人・香港人の消費動向
観光庁が発表した2024年4-6月期のインバウンド消費動向調査(1次速報)によると、台湾からの訪日観光客の旅行消費額は2,639 億円、また香港は1,743 億円でした。台湾、香港の旅行消費額を合計すると4382億円で、1位の中国(4,420 億円)とほぼ同等であることがわかりました。
1番行きたい都道府県 1位「北海道」 訪日回数10回以上の人 9位に「岡山県」
日本旅行で一番行きたい都道府県についての調査で、1位は「北海道」となりました。また、訪日回数別に集計をすると、訪日回数10回以上の場合、9位に「岡山県」がランクインしました。岡山県については、訪日回数0~1回の人で選択した人はいませんでしたが、訪日回数2~9回では山梨県、愛媛県と並んで17位(12人が選択)となりました。
岡山県を選んだ人は「桃がおいしい」「最高のシャインマスカットは岡山にある」として、フルーツの魅力などを理由としてあげました。このほか、訪日回数0~1回では9位の「青森県」が、訪日回数2~9回では7位、10回以上では5位となり、訪日回数が増えるに連れて順位を上げました。
「北海道」を選んだ理由(年齢、性別、訪日回数)
スキーをしたり海鮮を食べたい。(21~30歳、男性、1回)
雪を見たことがないから。(21~30歳、男性、3回)
冬は雪、夏は花が美しい。(41~50歳、女性、5回)
ラベンダーを見たい。(21~30歳、女性、7回)
夏は涼しいし、おいしいものがたくさんある。(51~60歳、男性、10回以上)
「青森県」を選んだ理由(年齢、性別、訪日回数)
ねぶた祭りが見たい。(41~50歳、女性、5回)
まだ行ったことがない。もぎたてのリンゴが食べたい。(41~50歳、男性、10回以上)
青森県立美術館に行きたい。(41~50歳、女性、10回以上)
奈良美智さんの展覧会が見たい。(41~50歳、女性、1回)
自然の風景と冬の雪景色を楽しみたい。(31~40歳、男性、7回)
「岡山県」を選んだ理由(年齢、性別、訪日回数)
桃がおいしい(41~50歳、女性、10回以上)
最高のシャインマスカットは岡山や長野、山梨にある(41~50歳、女性、10回以上)
東西南北、島めぐりができる。(21~30歳、女性、10回以上)
倉敷の美しさは人々を魅了する。(41~50歳、女性、5回)
静かな環境で観光客も少ないので過ごしやすい。(41~50歳、女性、10回以上)
日本旅行中に食べたい名産品やご当地グルメランキング1位「岐阜県/飛騨牛、高山ラーメン」
日本旅行中に、訪れた地域の名産品やご当地グルメを「絶対に食べたい」または「できれば食べたい」と答えた人への質問では、全体の55%が「岐阜県の飛騨牛、高山ラーメン」と答え、1位となりました。2位は、51.2%の人が選んだ「北海道のジンギスカン、ラーメン」、3位は「兵庫県の神戸牛、明石焼き」(51%)でした。調査では、上位6位を「肉関連」が占め、観光客にとって、日本の肉グルメの人気の高さがわかる結果となりました。
調査を受けて 「樂吃購(ラーチーゴー)!日本」蔡 宇淮(さい・うかい)編集長
今回の調査では「日本旅行中に食べたい名産品やご当地グルメ」の1位が岐阜県の「飛騨牛・高山ラーメン」となり、北海道の名産「ジンギスカン」を上回りました。台湾人・香港人にとって「和牛」を食べることは日本旅行の目的の一つとなっていることから、飛騨牛の方がジンギスカンより認知度が高く、人気があるとみています。
アンケートでは「一番行きたい都道府県」について、その場所を選んだ理由を自由回答形式で質問しましたが、全体の約12%が「〇〇が食べたい」など、食に関して記載しました。
食に関する理由は「自然の景色 / 観光スポット」や「文化体験」に続く、3番目の多さで、日本の食文化は台湾人・香港人の旅行において重要な役割を果たしていることが改めて示されました。
観光庁のインバウンド消費動向調査の結果で、繁体字中華圏である台湾・香港の消費額の合計は、中国に僅差の2位であることがわかっています。各地の名産やご当地グルメを含むインバウンド戦略は、台湾・香港からの観光客の心をつかむことが一つのカギとなりそうです。
蔡 宇淮(さい・うかい)編集長プロフィール
略歴:早稲田大学大学院日本語教育研究科修了。
日本語能力は最も高いN1を保有。ビジネスシーンでの日本語にも対応。
大学院卒業後「樂吃購(ラーチーゴー)!日本」にて旅行ライターとして経験を積み、2018 年から現職。編集長就任1年で月間ユーザー数を100万人から250万人へと倍増させることに成功。素食(オリエンタルベジタリアン)としての知見も持つ。
2020年 長野県観光機構「繁字体オウンドメディアライティング」講師
2021年 訪日グローバルキャンペーン等に対応したコンテンツ造成事業「いすみ里山・里海体験日台友好ツアー 」台湾人アドバイザー
2022年 群馬県インバウンドカレッジ講師
調査概要
調査対象:「樂吃購(ラーチーゴー)!日本」の台湾人・香港人ユーザー (繁体字中国語で聞き取り)
実施期間:2024年7月22日~7月31日
調査方法:インターネットリサーチ
有効回答数:3644
※数値は、小数点第二位以下を四捨五入し、小数点第一位で表記。
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